とんこつたんのブログ

理系ラボで思ったこと考えたことから趣味の話まで/ チェコでの留学体験記

論文の意外とよくわかってなかったあれこれ Referenceの書き方等

最近論文を書いていて、教授からしたらありえないミスを連発しております。 ここらで反省も含めて、これ常識だったのか...っていう内容を説明していきたいと思います。

書き始める前に

鉄則

出したいジャーナルの論文どれか一つをお手本にし、その書き方を真似せよ
教授もこうしています。
まずお手本にすべくモノを一つ選んで、隣に置いておきましょう。

数字の慣習

数字を本文中で用いるとき、個数などの数を表す数字は9以下なら"one " "five "   のように数字ではなく文字で表します。 一方、10以上の場合は数字を使います。 これは、例えば16を”sixteen”とすると長いためです。

Ex ) This domain contains three α helixes and 10 β strands.

Authorの書き方

執筆者の名前は、

First name (名前) Last name[Surname] (苗字)

Yamada(苗字)Taro(名前) なら

Taro Yamada

となるわけです。 ここでイニシャルで省略する場合、論文などで検索する場合として苗字のほうが大切なので、苗字はフルで、名前はイニシャルで書きます。

○T. Yamada 
× Taro Y.

Authorの名前がShi-Ichiのようにバーがある

日本人の名前で、名前の中にバー(-)が履いている場合があります。
この場合は、Referenceでは Yamada Shi-Ichiなら

Yamada, S.-I.

のように書かれます。
Data Baseを使用する場合は、名前をShi-Ichiのまま登録しておけば自然と上記のように変換してくれるはずです。

Authorの所属

通常右肩上に数字をつけ、Authorを羅列した後に一つ一つ所属を書いてきます。

Taro Yamada1

1 Graduate school of Blog, hatena University, 1-1, town, city, prefecture, 000-0000, Japan

所属が多ければ、1,2,と続けます

Taro Yamada1, 2

この所属とは、論文を提出するときの所属ではなく、論文の内容の研究をしたときの所属です。 仮にはじめ"はてな大学"にいたが、論文執筆中に"豚骨大学"に移動したとしても、ここで書くべき所属は”はてな大学”となります。

Corresponding Authorの示し方

1) corresponding authorはアスタリスク(*)などで示すことが多いです。マークはつけたりつけなかったりしますが、必ず連名の最後に書くルールは絶対です。通常は研究室の教授などです。

マークをつける場合

Taro Yamada 1, Hanako Suzuki1, .... , Isaac Newton1,2,3,*

上の例ならば Isaac Newtonがcorresponding authorです。
そして、全てのauthorの所属の一番下に、* がcorrespondence authorであることを示す旨を説明します。

1 ....
2 ....
3 ....

*corresponding author

また、所属の最後に責任者が誰であるかを示しつつ、連絡先を示す一文を書きます。

correspondence ad requests for materials should be addressed by I. N. (email : apple-dropped@cambridge-u.ac.uk)

First Authorが2人以上の時

First author が2人以上いるとき(共著の時)は、右肩上にマークまたは数字などをつけて示します。この場合も、authorsの所属一覧の後、corresponding authorに関する文の前に明記します。

Taro Yamada 1,4, Hanako Suzuki1,4, .... , Isaac Newton1,2,3,*

1 ....
2 ....
3 ....
4 These authors contributed equally to this work.
*corresponding author

correspondence ad requests for materials should be addressed by I. N. (email : apple-falling@cambridge-u.ac.uk)

大原則

Referenceの書き方はJournalによって異なります。
しかし、大体のルールは決まっています。

分かりやすい方法としては、PubMedなどで引用したい論文の情報を取得することです。
*Submitする論文のReferenceを真似するのが一番ですが、これは大前提

Reference の構成

Journal Aritcelの場合

著者, 引用文献タイトル, Volume, (Issue/ Number), ページ, 発行年,DOI IDやPMID

例1
例えば以下の論文を引用することを考えます。 PDFだと下のようにジャーナルとAritcleの情報が紙面上部に記載されています。下部にも情報が書かれていることが多いです。

f:id:tonkotutan:20201030234751p:plain PDFから情報を読み取ることもできますが、おすすめはPubMedなどで検索する方法です。
上記の論文をPubMedで調べると以下のようになります。 こちらのほうが、形式が決まっているため情報が読み取りやすいです。 f:id:tonkotutan:20201030235111p:plain

読み取った情報を用いてNature形式でReferenceを書くと以下のようになります。

Minamino, T. & Namba, K. Self-assembly and type III protein export of the bacterial flagellum. J. Mol. Biol. Biotechnol. 7, 5–17 (2004).

例2 Online Journalの場合

Online のJournalが増えていますが、少しPage番号が分かりにくいです。 例えば以下の論文、ページ番号は246です。このように1-10ではなく一文字だけの時や、aa217のようにアルファベットが数字の先頭についているときもあります。 f:id:tonkotutan:20201031000023p:plain 上記の論文をNature形式で書くと以下のようになります。 著者が多くなると(何人以上になったら、というのはJournalごとのルールがある?) First Author で代表して et al. で 続けます。

Yamaguchi, T. et al. Structural and functional comparison of Salmonella flagellar filaments composed of FljB and FliC. Biomolecules 10, 246 (2020).

例3 BioRxivの場合
まだ特定のJournalには乗っていないけど論文を参照したい場合。例えばBioRxivの論文を引用するとします。<br. BIoRixvのように特定のJournalの情報がない場合は、Aoutnr , Title, BioRxiv, Year, DOI の順で書きます。
Volume, Issue, Page numberの代わりにdoi number を付ければOKです。

Kawamoto, A. et al. Native structure of flagellar MS ring is formed by 34 subunits with 23-fold and 11-fold subsymmetries. BioRxiv (2020) doi:https://doi.org/10.1101/2020.10.11.334888.

Bookの場合

著者, 引用するChapterやSectionのタイトル in 本のタイトル, (Editorial bookならEditorの名前, eds.) ページ, (出版社, 発行年 )

例えば次のようにEditorial Book (Eds.と編集者が書かれているもの)の特定の章を引用する場合 f:id:tonkotutan:20201031002415p:plain f:id:tonkotutan:20201031003225p:plain

Minamino, T., Kinoshita, M. & Namba, K. Fuel of the bacterial flagellar type III protein export apparatus. in The Bacterial Flagellum (Minamino, T. & Namba, K. eds.) 1593, 3–16 (Springer, 2017).

注意点としては、

  • JournalならばTitleに対応する場所が、引用するチャプターのタイトルになっている

  • BookのTitle はチャプタータイトルのうしろに、 in ***と続ける

  • Author は引用したチャプターを書いたAutohor であり、Editorは最後に(*** eds.)とかっこ書きで書く

補足

なお、上記のような1)シリーズものとして出版されている, 2)各チャプターがJounal Aritlceのように検索できる タイプのBooKだと Journal Articleと同じように引用するようです。実際、引用したチャプターをPubMedで検索すると以下のようにヒットします。 f:id:tonkotutan:20201031003444p:plain

そこで、Journal Article と同じように記述すると以下のようになります。

Minamino, T., Kinoshita, M. & Namba, K. Fuel of the bacterial Flagellar type III protein export apparatus. Methods Mol. Biol. 1593, 3–16 (2017).

Reference の番号を付けるときの注意

Natureなどは本文中でRefenrenceが番号で右肩に着きます。
この時、数字の上にReference番号がついてしまうときには

..... is 3(Ref.^ 1)などとします。

図のCaption パネルとは

図の下につける説明文をキャプションと言います。
このキャプション中で、イラストがいくつかに分かれていて、a, b, などと名前がついているとします。
このa、b、などを”パネル”と言います。

キャプション中で特定のパネルを説明する際は、このaを太字にすることで、パネルのことを刺しているとわかります。そうしないとほかのアルファベットに混ざってしまい、読みにくくなります。

また、特に図の中で上のパネル、下のパネル、というときは

"upper panel" ”lower panel”

などと表現します。ここで

"upper figure"

などと言ってはいけません。
Figureはあくまで図全体のことをさします。